なぜ今、健康経営が大切なのか - 健康経営実践ブログ
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なぜ今、健康経営が大切なのか

時代背景から読み解く「今、健康経営が求められる理由」――人手不足が今後さらに悪化する

  多くの経営者が実感している通り、どこもかしこも人手不足で「エラいこと」になっています。「アルバイトがなかなか集まらない」などの声はあちこちで聞きますが、最近では人手不足で倒産する企業すら珍しくありません。東京商工リサーチのデータによると、2018年度の「人手不足関連倒産」は400件にのぼっています。これは過去最多で、前年比28・6%増というひどい数字です。

 従業員の過不足を示す統計数字からも、人手不足の深刻さは見て取れます。

 2018年の「中小企業白書」によれば、2013年第4四半期以降、すべての業種で「従業員過不足DI」と呼ばれる指数がマイナスとなっています。この指数は従業員が「過剰」と答えた企業の割合(%)から、「不足」と答えた企業の割合(%)を引いたもので、最も低い建設業はマイナス30%を下回るひどさです。最も高い小売業でもマイナス10%を下回っており、日本中あらゆる職場で人が足りていないことがわかります。

 しかも、この苦境はどうやら今後ますます深刻化していくものと考えられます。

 15〜64歳の生産年齢人口は1995年(8,700万人)をピークに減少を続けており、2060年には2015年の約6割(4,800万人)にまで減少するという予想もあります。少し踏ん張れば先行きは明るい、というのであれば、なんとかもちこたえようか、という気にもなりますが、将来的に人手不足が解消される見込みはまったくないのです。

 人手が足りない中、特に大きな影響を受けているのが中小企業です。人材をたくさん抱えている大企業なら、誰かがギブアップしても代わりになる社員を見つけることが可能です。ネームバリューもあるので、優秀な人材を他社から引き抜いてくることだってできます。

 ところが、中小企業にはギブアップした社員の代わりなぞなかなかいません。幹部クラスの役職者ともなればなおさらです。大企業のように「有能な人を中途採用して穴を埋める」なんてことも難しいでしょう。

 だからこそ、今いる従業員に、心身ともに健康で元気に働いてもらう必要があるのです。

 既存の人材の活用という観点からも、健康管理は重要な課題です。なぜなら心身の状態は仕事のパフォーマンスに大きく影響するからです。

  たとえば1日6時間睡眠の生活が2週間続くと、脳のパフォーマンスは2日連続で徹夜した後と同じ程度まで低下する、という研究結果があります。そんな状態で、優れたアイデアを思いついたり、クライアントのニーズを読み取る営業ができたりするわけはありません。

 また、健康管理を怠ってメタボになると、注意力や集中力、判断力や計画力、行動力といった脳の機能が低下する、という海外の研究結果も数多く報告されています。メタボが脂質異常や高血糖、高血圧といった様々な病気の原因となる症状につながることはよく知られていますが、仕事の能力にも直接影響するのです。

 限られた人材を最大限活用しなければならない時代に、社員の健康問題を放置していると、企業のパフォーマンスは容易に低下してしまいます。

健康経営の重要性 中小企業の事例から痛感すること

  健康に対する意識が不足している人ほど、なぜか自分は病気にならないと思い込みがちです。 食事の栄養バランスは偏り、残業に次ぐ残業という日々を送っているにもかかわらず、

「好きなようにやったほうがストレスが少ないように思う」

「この調子でやってきて、今まで大病を患ったことはない」と考えている方が多いのです。

 しかしながら、もちろんそんなはずはありません。弊社のクライアントにも、そうしてたかをくくっていた結果、健康を損ねたケースが少なくありません。

    実は、私の兄もそうだったのですが、毎日残業が当たり前の職場で、当然晩御飯は外食。夜遅いにもかかわらず“ビールに餃子にライス”。疲れているからか脂っこいものをがっつりと食べる、という生活を続けておりました。冷静に考えたらわかることですが、やはり身体にはダメージが大きく、膵臓炎で入退院を繰り返すことになりました。入退院を繰り返す兄に「 患者さんが治ろうと本気で思わないと身体はよくならない。」という主治医の先生の言葉は届かず、残念ながら46歳という若さでこの世から旅立っていきました。

    会社にとってはバリバリ働く管理職が急に現場からいなくなる、そのリスクを回避し、大切な従業員の人生を台無しにしないためにも、健康経営は大事な役割を果たします。

選ばれる企業とは? 従業員を守り、育てなければ人がいなくなる

 健康経営は、今いる人材が本来持っているパフォーマンスを発揮出来る風土を作り出します。いわば、「守り」の人材活用です。

 健康経営にはもう一つ、今いる人材のパフォーマンスをさらに向上させる「攻め」の人材活用が進むという効果もあります。

「新しい仕事に挑戦したい」

「もっと大きなプロジェクトに参加したい」

 そんな成長意欲は心と体が健康でなければ湧いてきません。

 また、個人が成長していくためには仕事の成果を振り返ったり、仕事のやり方の棚卸しをしたりと、自分を省みる時間が定期的に必要です。健康でなければ、そんな余裕はなかなか出てこないでしょう。

成長の方向性を決めるには自分の強み・弱みをしっかり把握しなければなりませんが、自分を省みなければ、見えてきません。健康でなければ「自分はどんな風に成長していきたいか」という目標を決められないのです。

健康経営で従業員の健康をマネジメントすることは企業にとって、もっとも大切な経営資産である人材のフル活用につながる非常に有効な手段なのです。

ところが、日本の経営者のなかには「従業員の健康を会社がマネジメントしよう!」と語ると、違和感を訴える人も未だ少なくありません。

「なんで、会社がそこまで面倒をみなあかんのや?」という声をよく耳にするのです。

そんな疑問の声が上がる背景には、今の日本企業が抱える「短期的な成果、目に見える個人的な成果を重視する価値観」がある、と私は考えています。この価値観に照らすなら、

とにかく今すぐ成果を上げることが重要なので、組織づくりをすっとばして、従業員を個として目一杯働かせることになりがちです。健全なチームワークや健康がもたらすパフォーマンスアップ、そして、人材としての成長は短いスパンでは目に見えにくいので、それより目の前のことに対応するため、「とにかくバリバリ働け!」となっているように思えます。

当然、そんな状態が続くとパフォーマンスが低下し、人としての成長は鈍化しますが、「それは本人の責任」「健康管理は社員自身がやるものだから、会社が社員にそこまでしてやる必要はない」という論法で押し切る人材管理がまだまだ一般化しています。

しかし、このまま社員を「替えのきくコマ」として扱い続けることは、これまで解説してきた通り、経営者自身の首を絞めることにつながります。

なぜなら、終身雇用制度が揺らぎ、非正規雇用が増える中、会社に対する働き手の帰属意識が低下しているからです。人手不足の深刻化は働き手にとって、「働く場所なんていくらでもある」ことを意味します。

すでに国内でも転職は珍しいことではなくなりつつあります。2019年に総務省が発表した労働力調査によれば、転職者数は2018年まで8年連続で増加し続けていることがわかっています。転職市場は売り手市場なので、働き手にとってはもはや、自分をコマのように扱う会社に残る理由などありません。「社員を大切にする」という意識が薄い会社は今後、社員たちから見放されてしまうことを覚悟すべきでしょう。

米国最大の調査会社ギャラップ社の調査によれば、日本のビジネスパーソンのうち会社に対して強いエンゲージメント(帰属意識や愛着)を持つ「熱意あふれる社員」はたったの6%しかいないそうです。この数字は調査対象となった世界139カ国中、132位という低い数字です。

その一方、「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」は24%、「やる気のない社員」の割合は70%にのぼっています。このような状況で社員をコマとして扱い続ければ、経営効率の低下や人材不足でスローダウンし、やがては事業が立ちゆかなくなってしまうことも考えられます。

人手不足が深刻化する中、能力の高い人材に自社で働き続けてもらうには、「社員から選ばれる企業」を目指す必要があります。そのための施策の一つが、社員を育てて守る健康経営なのです。 

高速で変化する時代についていくには組織の健康も必須

 社会の様相や人の意識は近年、とてつもない速度で変化するようになりました。

 たとえば日々当たり前のように使っている携帯電話が一般に普及したのは1990年代後半ですから、たった20年ほど前のできごとです。さらにそんな携帯電話からスマートフォンへの世代交代が始まったのはその10年後、2008年にアップル社のiPhoneが登場してからです。

私の仕事で言えば、かつて主流だったDMは電子メールやLINEに取って代わられてしまいました。冒頭で少し触れた大手との契約中止も、これが真の原因です。皆さまもお感じの通り、誰もが未来に不安を覚えるスピードなのです。

 人工知能やコンピュータの進化は想像を絶します。4年ほど前にオックスフォード大学の研究者が発表した「雇用の未来」という論文のなかでは、コンピュータの発達により多くの職業が消えてしまうという予測が語られています。この予測が正しいかどうかは別にしても、猛烈な速度で世界が変化していくことは間違いないでしょう。

 企業が生き残っていくためには、この変化に対応し、食らいついていかなければなりません。

 帝国データバンクが100年以上の歴史を誇る企業を対象に行ったアンケート調査を見ると、老舗企業の多くが時代を超えて生き残っていくためには積極的に新しいことに取り組んでいく姿勢が必要だ、と回答しています。

 老舗企業というと、伝統を重んじて、保守的なイメージがありますが、実際は常に進化しているのです。たとえば「老舗の定番の味」というのは実は少しずつ変わっていて、時代の味覚の変化に合わせているからこそ「いつもの味」として親しまれているのです。逆に言えば、意固地に伝統を重んじて同じことをやり続けていると、時代に合わなくなって淘汰されるということです。「これまでと同じことしかやらない、変わらない会社は必ず衰退する」というのは真理なのです。

 時代に取り残されないよう変革を続けるためには、組織のあり方そのものを見直すことが大切です。

 組織の変革はこれまで、往々にしてトップダウン方式で行われてきましたが、それではトップの考えが組織全体に浸透するまでに時間がかかってしまいます。どうしても、鈍感で鈍重な組織になってしまうため、目まぐるしく変化する時代に対応しきれません。時代に追いつくためには社会の変化に敏感で、その変化に対して身軽に対応できる組織−−−−−−「健康的な組織」になることが欠かせないのです。

 変化に素早く対応できる健康的な組織とは、どのようなものでしょう?

 さまざまな要件があると思いますが、私は本心で語り合い、互いを思いやる、家族のような関係性を持つ組織ではないかと考えています。そういった密接な絆がある組織では、トップがわざわざ指示を出さなくても、従業員それぞれが「仲間のために」と常にアンテナを張って時代の変化に関わる情報を集め、対応するアイディアを出してくれます。

 従業員同士が立場や役職を越えて率直な意見を交わし合い、正しい意見は柔軟に取り入れていく……そんな仕組みを実現できれば、急速な変化にも臨機応変に対応できるはずです。

 健康経営はそんな健全な組織を実現するための施策でもあります。実際に、私が導入をサポートしたクライアント様の多くは、組織のあり方そのものが変わった、と驚いてくれます。  

 健康経営は単に「みんなで健康になりましょう」というスローガンを掲げるだけのものではありません。企業がこれからの時代を生き抜いていくために欠かせない、組織づくりの哲学でもあるのです。

「人が集まる輝く伸びる中小企業の健康経営カサマ式実践の極意」